「あの~そろそろ…」
奈美は時計をチラッと見る。
「あっ、そうですよね!長々とお引止めしてすいません。」
察した北山が帰宅を促す。
「いえ、とっても楽しかったですよ。コーヒーもおいしかったですし♪」
「それはよかった~。」
おもわず黒沢の顔に笑顔がこぼれる。
「また―…来ていただけますか?」
「もちろんですよ、今日はありがとうございました!!」
一礼すると彼女は帰っていった。
「ヤス~やったなぁ!!」
「うわっ、ちょっ、酒井さん!」
酒井は安岡の髪をくしゃくしゃとなでる。
「待て酒井!まだ勝負はついてねぇ!!」
「ヤスに好意的だったろ?」
「まだ男としてじゃなくてガキとしてしか見てねーよ。」
「てか、てつの方が子供じゃない~?」
「黒沢に言われたくねぇよ!!」
「あのさ…」
今まで黙っていた北山が口を開く。
「北山どーしたの?」
「ショック受けるかもしれないんだけどさ。」
「なんだよ、もったいぶらずに言えよ。」
「彼女―」
「彼氏いるよ。」
「「「「…はぁ?!」」」」
「う、うそだろ?!」
「ホントだよ、何度か男の人と歩いてるの見かけたし。」
「兄弟とか友達じゃねーのか?」
「そ、そうだよっ!ありえる話じゃん!!」
「友達とか兄弟同士でキスする?」
「「…」」
「北山~、あれってそういうことだったの?」
「そう、このこと。」
「ってかここまでハッキリ言わなくてもよかったんじゃない~?」
「これぐらい言わないとかえってショック受けるでしょ。」
「十分受けてると思うけど…。」
黒沢はテーブルにつっぷした2人を見る。
「2人とも!これでも飲んで忘れたらどうだ?!」
酒井が奥からシャンパンとウィスキーを持ってきた。
「ウィスキー?」
「シャンパン?」
同時に2人が反応した。
「酒井さん、この2人がどれだけ酒癖悪いか知ってる?」
「俺が責任もって止める!」
「この2人めちゃめちゃ強いよ。ってかヤスにいたっては未成年じゃん!!」
「もういいんじゃないの~?」
黒沢が人数分のグラスを持ってきた。
「黒ぽんまでそんな…知りませんよ僕。」
「ごちゃごちゃうるせぇぞ北山!お前も飲め飲め!!」
すでに酔っているのか、村上が北山のグラスに大量のウィスキーをそそぐ。
「ほら、言わんこっちゃない。」
今夜は長くなりそうだ…