傘をあげる 5,事実発覚

 

「あの~そろそろ…」
奈美は時計をチラッと見る。

「あっ、そうですよね!長々とお引止めしてすいません。」
察した北山が帰宅を促す。

「いえ、とっても楽しかったですよ。コーヒーもおいしかったですし♪」

「それはよかった~。」
おもわず黒沢の顔に笑顔がこぼれる。

「また―…来ていただけますか?」

「もちろんですよ、今日はありがとうございました!!」

一礼すると彼女は帰っていった。

 

「ヤス~やったなぁ!!」
「うわっ、ちょっ、酒井さん!」
酒井は安岡の髪をくしゃくしゃとなでる。

「待て酒井!まだ勝負はついてねぇ!!」

「ヤスに好意的だったろ?」

「まだ男としてじゃなくてガキとしてしか見てねーよ。」

「てか、てつの方が子供じゃない~?」

「黒沢に言われたくねぇよ!!」


「あのさ…」

今まで黙っていた北山が口を開く。

「北山どーしたの?」

「ショック受けるかもしれないんだけどさ。」

「なんだよ、もったいぶらずに言えよ。」


「彼女―」

 

「彼氏いるよ。」

 

「「「「…はぁ?!」」」」

 

「う、うそだろ?!」

「ホントだよ、何度か男の人と歩いてるの見かけたし。」

「兄弟とか友達じゃねーのか?」

「そ、そうだよっ!ありえる話じゃん!!」

「友達とか兄弟同士でキスする?」

「「…」」

 

「北山~、あれってそういうことだったの?」

「そう、このこと。」

「ってかここまでハッキリ言わなくてもよかったんじゃない~?」

「これぐらい言わないとかえってショック受けるでしょ。」

「十分受けてると思うけど…。」
黒沢はテーブルにつっぷした2人を見る。


「2人とも!これでも飲んで忘れたらどうだ?!」
酒井が奥からシャンパンとウィスキーを持ってきた。

「ウィスキー?」
「シャンパン?」

同時に2人が反応した。

「酒井さん、この2人がどれだけ酒癖悪いか知ってる?」
「俺が責任もって止める!」
「この2人めちゃめちゃ強いよ。ってかヤスにいたっては未成年じゃん!!」

「もういいんじゃないの~?」
黒沢が人数分のグラスを持ってきた。

「黒ぽんまでそんな…知りませんよ僕。」

「ごちゃごちゃうるせぇぞ北山!お前も飲め飲め!!」
すでに酔っているのか、村上が北山のグラスに大量のウィスキーをそそぐ。

「ほら、言わんこっちゃない。」

 

今夜は長くなりそうだ…