いつのまにか黒沢までいる。
「黒ぽん料理とコーヒーの準備できたの?」
「うん、まぁね。」
「・・・カレーじゃないだろうな。」
「いや、ちゃんとトーストとかゆで卵とかオムライスとか作ったよ。」
「お、進歩じゃん。」
「ただし全体的にカレー風味だけどね☆」
「あのなぁ、どうすればトーストがカレー風味になるんだよっ!!」
「根性じゃない?」
「・・・」
もはやつっこむ気も失せたらしい。
「そういえば開店まで時間無いけど北山いいの~?」
「コーヒーゼリーとクッキーならなんとか出来たけど。」
「またゼリーとクッキーか!」
「だって乳製品使わないスイーツっていったらゼリーとクッキーじゃないですか。」
「コーヒーゼリーもクッキーも喫茶店の定番メニューでコーヒーにあうよ!そ、それによーちゃんのスイーツおいしいからいいじゃん!!」
すかさずヤスがフォローに入る。
「まったく出来た子だ・・・」と村上は感心した。
「店長、そーいえばさっき予約の電話があったんだけど。」
「・・・は?」
「あの女性2名と男性3名の2組で、もうすぐこられるらしいですよ。」
「あのなぁ、なんでそーゆうことを早く言わないんだよっ!!」
「いやだってみんな盛り上がってたし。」
「そーゆー問題じゃないっ!!」
「どーゆー問題?」
「黒沢ァ、お前小学校からやり直してこいっっっ!!!!!」
「えー、教育委員会が許してくれないっしょ。」
「・・・!!」
「黒ぽん、雄二が若干涙目なんだけど。」
「あれ、なんか僕悪いことしたかなぁ?」
「うん、十分ね。」
「ねぇ、みんな準備しなくてもいいの?」
「そ、そうだったぁ!!」
「お前らこんな子供に言われるようじゃプロ失格だぞ。」
「十分もうプロ失格だろ・・・」
カランコロン~
「あ"あ"っ!!」
「すいません、予約したものなんですけど。」
女性2名来店。
「い、いらっしゃいませぇ!!」
慌てて接客に回る酒井。
クロ・キタコンビは急いで厨房へ。
村上と安岡は邪魔にならないよう奥の部屋から見守ることにした。
「ご、ご注文は。」
酒井はまだテンパってるようだ。
「え~っとぉ、あたしはこのブレンドコーヒーとクッキーのセットで。」
「ちょっとぉ、お昼食べに来たのにクッキーはないでしょ?」
「ごめん、そうだった。じゃあこのソウルカレーで。」
「じゃあ、あたしはオムライスにしよっかな。あ、あと食後にクッキーセットを2つ。」
「かしこまりました。では曲は何にいたしましょうか。」
「曲?」
「当店では、お食事の際聴かれるBGMをお客様に選んでいただくことになっておりまして。」
「へぇ、そうなんですかぁ。」
「どんな曲があるんですかぁ?」
「えーっと、ソウルとかまぁ色々と・・・こちらの中から選んでいただければ。」
酒井が棚にぎっしりと詰められたCDとレコードを指差す。
「わ、すごいですね!!これ全部お一人で揃えられたんですかぁ?!」
「ま、まぁそうですね。」
客に褒められるのが久しぶりのせいか、酒井の顔は真っ赤になっていた。
「うっわー・・・雄二のやつ顔真っ赤だよ。」
「まぁ、お客さん事態久しぶりな上に自分のコレクション褒められるなんてなかったもんねぇ。」
厨房で言いたい放題の黒北コンビ。
「雄二早くこっちこないと料理冷めると思うんだけどなぁ。」
「朝準備したおかげでとっくにできてるしねぇ。」
「何だかんだ言って俺たち間に合うよな。」
「うん、雄二もテツも心配性なんだよなぁ。」
「あの~、知らない曲ばかりなのでお任せしてはだめですか?」
「あ、はい。いいですよ、どのような感じの曲がよろしいですか?」
「最近っぽいのがいいんですけど、私音楽に疎いもので・・・」
「わかりました、出来るだけご期待に沿った音楽をおかけいたします。」
酒井は小走りで厨房に入っていった。