「黒沢、料理お運びして。北山は食べ終わる時間見計らってデザートを。」
「了解。」
「雄二何の音楽かけるの?」
「んー、サム・ムーアとか。」
「お、おい!それは古いというか、最近ぽく無いだろ!!」
「いやだって、俺あんまり最近のは詳しくないし・・・」
「やっぱここはテツに選曲任せたら?」
「あいつにか?!」
「かなり広いジャンルに手出してるからね、いいと思うけど。」
「俺も。」
「わかった・・・北山、テツを呼んでこい。」
「はいはい。」
事情を説明された村上が店の制服に着替えて出てきた。
「雄二、俺はどうすりゃいいの?」
「店員のふりして曲を選んでかけてくれればいい。あ、サングラス外してけよ。あと愛想良く笑顔で!!」
「わかった、相変わらず人使い荒ぇなぁ・・・」
「いらっしゃいませぇ~。」
慣れない足取りでコンポの方に向かう村上。
「てっちゃん、笑顔笑顔!!」
小声でヤスがアドバイスする。
「わ、わかった。こうか?!」
ニコッ☆
「…やっぱいいから早く曲かけて。」
「え、何そんなに俺の笑顔アレだったの?」
「ってか…うん、もういいや。」
「え、ねぇちょっと、ヤス?ねぇ?!」
バタン!
黙ったまま安岡は奥の部屋に引っ込んでしまった。
村上がその後鏡の前で必死に笑顔の練習をしたことは言うまでもない。
しばらくしてお客さんを待たせていることに気づいた村上は、急いでCDラックに向かう。
数え切れないほどあるCDの山から一枚選び出してコンポに入れ再生ボタンを押す。
~♪
程なくして心地のいい音楽が聴こえてきた。
喫茶店らしい心地よいサウンドだ、料理にもあっている。
流石は村上だと思った。
「俺ももう少し音楽センス磨かなきゃぁな・・・。」
「センスってか、キャパシティだと思うんだけどな。趣味に走りすぎて喫茶店っぽい音楽が少なすぎんだよ、雄二。」
「き、聞いてたのか村上!!」
「音楽掛けてすぐ戻ってきたんだけど、気づかなかった?」
「驚いただろうが!!声ぐらいかけろ。」
「いや、今かけたし。」
「ほらほら、そこケンカしないのっ。」
奥の部屋から安岡が顔を出す。